今、メディアのあり方を変えるサービスが立ち上がろうとしている件
こんにちは。
今回は最近自分が熱いと思うWebサービスに関して書こうと思います。
そのサービスは、Webメディアのあり方を大きく変える可能性を持っています。
名前は「ALIS」と言います。これまでにない新しい形のソーシャルメディアです。
現段階ではまだリリースはされておらず、2018年4月下旬にクローズドβがリリースされる予定です。
2017年に9月に会社が仮想通貨を発行することで資金調達を行うICOを行い、話題となったようです。
何がすごいのか。ICOを成功させた点や、話題のブロックチェーン技術を使っているなど様々あるのですが、僕はWebマーケティングに関わる仕事をしているので、メディアとして何が革新的なのかを主に書きます。
結論からいうと、これまでメディアで最も使われ、主であったビジネスモデルである「広告」に依存しないという点が非常に革新的です。ALISでは広告主ではなく、ユーザー自身がメディアをより良くしていく循環を回していきます。
これまでのメディアとは
メディアとは、何か情報を人々に伝えるための手段、媒体です。
「メディア」のビジネスモデルは基本的にこの2つしかありませんでした。
・広告
・課金
マスメディアの1つである「テレビ」は、視聴者は無料で見られる分、広告主が広告費を払うことで成り立っています。番組の間に流れるCMこそが広告です。
また「新聞」は、広告と「課金」の2つを併せ持っています。消費者は買わないと読めず、広告も掲載しています。
広告はうざい... と思われる方も多いかもしれませんが、私達が低いコスト(もしくは無料で)でこれだけの情報を取得できるのは、消費者がお金を払わない「広告」というモデルのおかげとも言えます。
しかもこの広告は、本来メディアのコンテンツがより良くなる循環が働く構造なんです。面白いコンテンツ(ex.テレビ番組)には、多くの人々(ex.視聴者)が集まり、そこに広告を出したい広告主が沢山集まり、生まれた広告費からさらに良いコンテンツができていくという、メディアがより良くなる流れを生み出していました。
インターネットが登場する
しかし、インターネットの登場により、そのメディアのあり方、広告のあり方も大きく変わってきます。インターネット上のメディアであっても、やはり主たる収益源は「広告」なのですが、上述のような、本来あったユーザーにとってメディアがより良くなる循環から、異なる方向に歪んでいってしまいます。
①誰でもメディアを作れるようになる。
インターネットにより、誰でも簡単に情報を発することができるようになりました。読むメディアとしてブログも1つですし、今ではYoutuberのようなもはや映像で情報を発信できます。一方でこれによりメディアが溢れ、広告主はどのメディアに広告を出してよいのかわからなくなります。
②アドテクノロジーの進化により、「広告効果」でメディアにお金が流れるようになる
そこで、「アドテクノロジー」という技術が生まれました。アドテクノロジーって何?と言われると難しいのですが、あえて言うなら、「広告主・メディアが最も効率的に互いの目的を達成させるための技術」と言えるのではないかなと思います。
広告主は、メディアに広告を掲載することで、「より自分たちの商品を知ってほしい。買って欲しい。」が目的であり、メディアは収益という観点で「より多くの広告主が広告を出稿してほしい。」が目的です。
アドテクノロジーは、広告の効果をデータとして可視化し、広告主とメディアのお互いの目的が達成されるような仕組みを実現させます。クリック率(CTR)、会員登録といった目的達成率(CVR)など、様々な広告の成果指標が生まれました。
つまりそれらにより、「より成果指標の良いメディアが儲けられる」構造になります。
このロジックが引き起こすのは、過度に成果指標の向上を追い求めたメディアの増加です。わざとクリックされやすい場所に広告を設置したり、広告を見ないと次に進めないものなどです。
ユーザーにとっては邪魔ですし、広告主にとっても真に商品の素晴らしさを伝える行為から乖離する可能性があると思います。
③プラットフォーマーのロジックに従うメディアがよりユーザーに触れられるようになる
またそのメディア自身が、ユーザーにそもそも見られるようになるには、メディアを束ねるプラットフォーム(ex. Google)に上手に乗っからなければならない仕組みになってしまっています。
Googleによってユーザーは手っ取り早く自分の知りたい情報を知ることができるようになりましたが、メディア側にとっては、ユーザーが検索したときにより引っかかりやすくなるような工夫をすることが、PVを集めるために重要になります。Googleは一定のアルゴリズムによってメディアが上位に表示される形になっているため、そのロジックに最適化すること(≒SEO)が大事になります。
ここでも②と同様に、過度にGoogleなどプラットフォーマーのロジックを追い求めたメディアの増加がおきます。その最たるものが話題になったWELQ問題です。単に上位掲載しやすい構造を追い求めた結果、嘘の情報だらけのメディアになり、それが医療に関わることだったので、余計にバッシングされました。
Webメディアのビジネスの限界
以上により結果、ユーザーにとって真に求められるメディアが真にリターンを得る構造ではなくなってしまっています。
Webメディアをビジネスとして成長させるには、「広告成果」や「PV」を追い求める必要があり、それが必ずしも「ユーザーのためになっていない」ことが問題だと思っています。
しかしメディア側はビジネスとして生き残るために必要なので続けざるを得ません。広告に関しては、数年前からユーザー体験を出来る限り邪魔しないような広告(≒ネイティブアド)というものが主流になってきていますが、やはりそれは程度の問題に過ぎないと私は感じていますし、また完全にメディアと同化するにはメディア自身で広告枠を作る必要があり、それを自分たちで作って売るには一定のハードルがあるというのも事実です。
この限界あるモデルを覆すプレーヤーがやってきた
前置きが長かったですが、このWebメディアの限界を構造ごと変えようとしているのが「ALIS」です。
ALISはユーザーが記事を作成し自由に投稿するソーシャルメディアなのですが、他のメディアとは根本的に異なる点があります。それは広告モデルに依存しないということです。
そもそも上述のような今のWebメディアのあり方に課題感を持ち、始まったサービスともWhitepaperに書かれています。
ALIS は、仮想通貨に変えられるトークンを発行しています。このトークンは既に市場に出回っており購入することができます。
さて、このトークンですが、なんと「良い記事を書いた人」また「良い記事を評価した人」に配られるのです。つまり、お金がもらえます。
これがすごいと思うのが、メディアをより良くする循環がユーザーだけで回っていくという点です。トークンを貰えるとなると良い記事を書く、また見つける動機づけになります。トークンを増やそうとするほど、どんどん良質なコンテンツがメディアに溢れ、良い循環が生まれます。
またそういった貢献をすることでトークンを持つ人は、ALIS自体の需要が上がることで、トークンの価値も上がるため、ALISをより良くしようとする人々全体がハッピーになります。これかなり、革新的じゃないですか・・!?
もともとはアメリカで「Steem」という似たサービスがあり、自分はそこから知ったのですが、日本でも同じ動きがあると知り、かなり興奮しました!笑
Steemも記事の作者と評価者にトークンを発行するメディアなのですが、その通貨が3種類あるなどロジックが複雑で、万人がわかるような形ではなさそうでした。
ですが、ALISはトークンは1種類にし、Steemよりもシンプルで使いやすい形を追い求めているようです。
冒頭にも書きましたが、2018年4月下旬にクローズドβが出され、また2018年10月より正式サービスの利用開始だそうです。まだ間に合うかはわかりませんが、クローズドβにはサイトより応募できるようです。
まだまだALISについて書き足らないのですが、思いの外前置きが長くなり、今回の記事は一旦ここまでにしたいと思います。
今回は前編とし、また後編で色々書きたいと思います。
それでは!