KuniLog

東京に来て3年目。気になることを書いていきます。

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運用型広告を扱う組織の立ち上げで大事なこと

久しぶりにブログ書きます。

僕は今東京から大阪に移り、子会社でWebマーケにおける運用型広告の運用・オペレーション・クリエイティブの組織立ち上げをしています。

 

子会社にきて2ヶ月半経って、もちろんまだまだ足りない点もありますが、少しずつ組織が立ち上がりつつあるので、何を考えてどんなことをしたのかを棚卸しのつもりでまとめてみます。

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まず、意識して行ったことは大きく4つです。

 

1. 状況の見える化

日々の改善が物を言う運用型広告において、すぐに状況が正しく把握できることは非常に重要だと考えています。担当者に確認しないとわからない、アカウントを開かないとわからないではリスクかつ、状況把握コストが高いです。

そこで、スプレッドシートを活用し、日次・週次で配信の進捗、パフォーマンスが更新され一目で見えるよう、シートと更新ルールを決めました。

IMPORTRANGE関数+ SUMIF関数で他シートに集めた媒体データを、案件ごとに紐づけて見れるようにして、条件付き書式で進捗の良くないものは色をつけるなどすると、アラートにも気づきやすくなり、媒体の管理画面を見なくても、1シートで全アカウントの状況がわかるようになりました。

tanuhack.com

 

2. 業務フローの明文化

運用型広告は売って終わりではなく、

・顧客への進捗共有、コミュニケーション

・媒体運用、分析

・クリエイティブ作成

・入稿作業

など、それぞれを定常的に実行し改善し続ける必要があります。

そのため、これらが組織として滞ることなく、スムーズに回るよう、誰が、どの順で、何をするのかの統一したフローを決めました。

 

特に入稿は頻度も多く、かつ正確性も保たなくてはならないため、

依頼→入稿担当者決め→入稿→ダブルチェックといったフローを定めました。

またこれらフローの進捗を全体で見える化させるため、うちではBacklogを導入しています。

backlog.com

以前はSlackで適宜流すようにしていたのですが、Slackは情報が流れがちなため、Backlog導入を決めました。Backlog上で進捗や作業内容を各人明記するようにし、共有・確認漏れや齟齬が起きにくい状態にしました。

 

3. KPIの設定

これはまだ試行錯誤している最中なのですが、 立ち上げ期であってもKPIの設定を意識的に行いました。リクルート中尾さんのおっしゃるKPI設定における下記ポイントを意識しています。

(1)KPIは事業の信号、だから1つ
(2)皆が覚えやすい、分かりやすい数値目標であること
(3)プロセス目標であること(結果目標ではない)
立ち上げ期で色々やりたい!足りない!というフェーズにおいて、(1)のKPIを1つにすることはとても難しいと感じています。また利益といったKGIに対して、どこまで成果に近い指標にするのか、また各人によって業務領域も異なる中で、何をKPIとして据えるべきなのか、悩みはつきません・・・
 
特に感じているのが、例えば「何提案する」といった行動指標は、KPIとして日々上がりやすいですが、それらがKGIに結びつくものなのかは常にチェックする必要があり、
反対に「案件のパフォーマンスをいくらにする」といった結果指標にすると、KGIへの結びつきは強くなりますが、KPIとして日々上がりにくくなり、日々の信号の役割を果たしにくくなると考えています。
中尾さんのお話の中では、前者が望ましいと思うのですが、まだ始まりたての組織において、本当にこれでKGI良くなるのか?という不安がつきまといます・・
 
ちなみにうちは、運用・クリエイティブ・オペレーションの3チームに分かれていますが、まず全チームで1つの行動指標にするところから始めました。
しかし各人業務領域も異なることから、チームによって上がる数に差が生まれ、KGIへの影響度も低く感じられたため、
今はチームごとにKPIを据えて、チームによっては結果指標にしたり行動指標にしたりしています。あるチームに結果指標を据えて、とはいえこのアクションにおける量って大事だよね、という部分には別チームの行動指標にして補完するようにしています。
これがまだベストとは思っておらず絶賛試行錯誤中なので、また進展あれば書きます。
 

4. ナレッジ蓄積の土台作り

立ち上げ期でナレッジ蓄積の機能を必ず持たせることは非常に重要だと考えています。
ナレッジ蓄積には、手法などを「これがベストだ!」とマニュアルに近いかたちで蓄積するものもあれば、ただただ事例をストックしていくことも両方指しています。
 
まず前者は暗黙知形式知化することで、組織全体の能力を上げていこうというものであり、実業務の忙しさから後回しにされがちですが、無理やりでも時間をとって行いました。
 
また後者の事例ストックはまず箱を作って、できるだけ簡単に追記できるようにし、存在が薄れないように、定例会議で話題として取り上げるようにして、みんなで意識的に更新していけるようにしました。また自分から「この事例、自分の案件でめっちゃ参考になったよ!」と、上げてくれた人が称賛される雰囲気を作ることを大事にしています。
 

まだまだ立ち上がったばかりで、事例少ないから・・・となりがちなのですが、その前にまずちゃんとノウハウが溜まっていく状態を作り、きちんと機能させることってとても大事ではないかと考えています。

 

以上、長くなりましたが僕自身が組織立ち上げにおいて、この2ヶ月半で大事だと感じたことです。これらはどんな組織にも通ずる部分はあるのではないかと思っており、今後のためにも自分の中で振り返ってアウトプットしてみました!

ではまた!